TBSラジオの人気Podcast番組ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」について、二人の出会いから番組の特徴までをまとめました。
私はこの番組の大ファンで、初回からすべて聴いていますが、どのエピソードも面白くて、何度でも聴き返しています。
特に私がおすすめする神エピソードも5つ紹介します。
『OVER THE SUN』のEp.0からEp.74までの神回傑作選が書籍化しています。

全ページ注釈付き。配信では聞き逃していた小ネタもしっかり拾えますよ。
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関連記事:『OVER THE SUN』でスーさんの「よくぞ金曜日までたどりつきました!」の元ネタは?

OVER THE SUN(オーバーザサン)とは
『OVER THE SUN』はコラムニストのジェーン・スーさんと、フリーアナウンサーの堀井美香さんがパーソナリティーを務めるポッドキャスト番組です。
2020年10月2日から配信が開始されました。
TBSラジオ『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」』
TBSラジオの制作で、毎週金曜日の17時に様々なプラットフォームからポッドキャストとして配信されています。
閉経、推し活、離婚、VIO脱毛、ヒヤスンス、中高年の恋愛など様々な話題を二人で語り合う番組です。
「約30分のトークプログラム」と毎回言ってますが、いつもだいたい1時間を超えてもおしゃべりは止まりません。
ジェーン・スーさんと堀井美香さんが心から楽しみながらトークしているところが多くのリスナーに刺さり、2020年のポッドキャストアワードをW授賞するほどの人気番組となっています。
『OVER THE SUN』の始まりは『生活は踊る』金曜日
元々、ジェーン・スーさんと堀井美香さんはTBSラジオ『生活は踊る』の金曜日にコンビを組んでいました。
しかし、番組改編のため2020年10月から『生活は踊る』は月~木の放送となってしまい、金曜日の「スー・美香コンビ」は消滅することに。(とは言え、10月以降も『生活は踊る』第5週目の月~木パートナーとして堀井さんは残留することになりました)
このピンチを「転んでもただでは起きないスー・美香コンビ」はチャンスに変えました。
TBSラジオ『生活は踊る』2020年8月28日(金)第1143回のオープニングトーク、5:20から「スー・美香で新たに始めるトーク番組」の計画を話しています。
この時点ではまだ地上波のラジオ番組なのか、ポッドキャストなのか、そもそも新番組が実現するのかも決まっていませんが、『OVER THE SUN』のタイトルは既にスーさんの口から出ています。
(ジェーン・スー)
スタッフの間でも「そもそも堀井美香とジェーン・スーのしゃべりに果たして生活情報は必要なのか」という議題がいつもありまして「生活情報とか無しで私たちにしゃべらせろ」と上層部に掛け合っております。
番組になるのか配信になるのかまだわからないですけど、何らかの形で私と堀井美香さんの「放談」が始まる可能性が高いです。
「OVER THE RAINBOW」を越えて「OVER THE SUN」、短くすると「おばさん」というのを私たち冗談で言ってるんですけど
引用元:『生活は踊る』第1143回
ジェーン・スーさんと堀井美香さんの新番組が本当に立ち上がるという話は、この日が初めてでした。
しかし、それまでにも『生活は踊る』の中で「二人でポッドキャストやりたいよね」という話は何度も出ていました。
その流れを知っていたリスナーとして「やっとスーさんと堀井さんが自由におしゃべりする番組が始まる!」と喜んだのを覚えています。
TBSラジオ『生活は踊る』の金曜最終回、2020年9月25日(金)第1163回のオープニングトークでは「OVER THE SUN」へのメール募集をしています。
そして、同じ日の2020年9月25日(金)に収録された二人のおしゃべりが『OVER THE SUN』Ep.0として配信されました。
『ザ・トップ5』
ジェーン・スーさんと堀井美香さんのコンビといえば『生活は踊る』の印象が強いですが、その始まりはもっと古く、2013年のTBSラジオ『ザ・トップ5 シーズン3』まで遡ります。
2011年にジェーン・スーさんが初めてラジオパーソナリティーを務めた番組がこの『ザ・トップ5』です。
野球のオフシーズンとなる時期のTBSラジオで放送されていた番組で、初年度の2011年にジェーン・スーさんはTBSのアナウンサー小林悠さんとのコンビで木曜日を担当していました。
3年目となる2013年、TBSの橋本吉史プロデューサー(通称:橋P)が「スーさんと堀井さんを組み合わせたら結構ハネると思うんですよね」と提案し、火曜日の『ザ・トップ5』でジェーン・スー&堀井美香コンビが誕生しました。(このエピソードについては『OVER THE SUN Ep.125』で話しています。)
橋Pのもくろみはまさに的中し、全く正反対の個性を持つジェーン・スーさんと堀井美香さんのコンビは素晴らしい科学反応を引き起こしました。
その「奇跡のケミストリー」の行きついた先が『OVER THE SUN』と言えます。
「おはこんばんちは」とは
『OVER THE SUN』のあいさつといえば「おはこんばんちは」です。
『OVER THE SUN』Ep.0(初回配信)でスーさんが口にした挨拶が定着しました。
(ジェーン・スー)ポッドキャストをお聴きのみなさん、こんにちは、こんばんは、おはようございます。
昭和的に言うとおはこんばんちは、ジェーン・スーです。
(堀井美香)こんばんにゃ、TBSアナウンサー堀井美香です。
引用元:OVER THE SUN Ep.0
定着したのは「こんばんにゃ」ではなく「おはこんばんちは」でした。
OVER THE SUNは地上波のラジオ番組と違い「分からない人のために丁寧に説明する」ということをほとんどしないため、この「おはこんばんちは」とは何か全く知らないリスナーも多いと思います。
「おはこんばんちは」は鳥山明原作の漫画・テレビアニメ「Dr.スランプ」主人公の人間型ロボット「則巻アラレ」の挨拶が元ネタです。
テレビアニメ「Dr.スランプ」のエンディングテーマ、水森亜土さんが歌う「アレアレアラレちゃん」の中でも最も耳に残るフレーズとしてスーさん美香さん世代には記憶されています。
ヒヤスンスとは
『OVER THE SUN』でよく聞く「ヒヤスンス」というのは、秋植えの球根花「ヒヤシンス」のことです。
最初に「ヒヤスンス」という言葉が出たのはEp.58の19:00。
Ep.57の投稿「リスナーみんなで球根の花を咲かせよう」という提案を受けて、二人の決めた花が「ヒヤシンス」です。
「リスナーのヒヤシンス画像をアップできる場を用意しよう」という話がいつものように横滑りしていきます。
(堀井美香)いいじゃない。咲くまで「ヒヤシンス新聞」ですよ
(ジェーン・スー)そうですよー「ヒヤスンブン」ですよ
(堀井美香)ヒヤスンススンブン(笑)
(ジェーン・スー)ヒヤスンススンブンですよ(笑)
中略
(ジェーン・スー)もちろんヒヤスンスのコーナーも作りますからね
(堀井美香)今回のヒヤスンスコーナー(笑)
(二人)爆笑
引用元:『OVER THE SUN Ep.58』
パワーワード「ヒヤスンス」を思いついた瞬間からの二人は、ほぼ中学生女子の温度で「ヒヤスンス」「ヒヤスンス」とずっと連呼しながら笑い転げています。
以降、『OVER THE SUN』ではヒヤシンスのことを「ヒヤスンス」と呼ぶようになりました。
このプロジェクト「ヒヤスンス」には大きな反響があり、多くのリスナーや番組関係者がInstagramやTwitterにヒヤスンス画像をアップしました。
さらに盛り上がり「ヒヤスンス」の歌が作られます。
Ep.73で堀井美香さんがキーボードで弾く即興のメロディーに載せてジェーン・スーさんが作詞したのが『希望のスンス』となりました。
神回紹介:Ep.30 ケンカするほど仲がいい
総合格闘技について過剰に熱く語るジェーン・スーさんと門外漢として素朴な質問をする堀井美香さん。
「知らないんだからしょうがないよね、っていうスタンスで雑に質問するのはよくない」とヒートアップするスーさん。
普通のラジオ番組なら無難に進む会話になりそうですが、ここはさすがの『OVER THE SUN』。
正面衝突してスリリングに盛り上がります。
この時の二人のケンカは「アツアツあんかけ事件」としてその後も何度も『OVER THE SUN』でネタにされていますので、ファンの方は必聴の回です。
大爆笑しながら真っすぐ口げんかする二人の中年女性。
最高です。
神回紹介:Ep.46 妄想の天才現る
18:50からの投稿「私の妄想」が面白過ぎです。
あまりの面白さで笑い過ぎた堀井さんが投稿を読み続けられなくなってしまっています。
マッチングアプリで知り合った格の違う男性とのデートのエピソード、という投稿が全てまさかの「妄想」であることが最後に明らかになる展開が見事でした。
散々妄想を語った後で、もう一つのメールテーマ「リアルに好きな食べもの」として「福岡のもつ鍋」の話もする投稿者さん。
スーさんも堀井さんも言ってましたが、この投稿者さんは天才です。
神回紹介:Ep.124『秋田県人しか出ない』構想が爆誕
Ep.124「当たり前をイジっていこう」ではジェーン・スーさんが急に思いついたポッドキャスト『秋田県人しか出ない』の話が出ました。
堀井美香さんの新刊『一旦、退社。~50歳からの独立日記』の紹介
↓
「次回作は『町田の「ま」』にしなさい」
↓
「堀井美香の半自伝的小説『町田の「ま」』をNHK朝ドラ化」
↓
「主人公堀井美香役は同じ秋田県人の佐々木希ちゃん」
↓
「あ、あなた『秋田県人しか出ない』っていうポッドキャストやりなさい!」
話題が横滑りしまくるのは『OVER THE SUN』では通常運転ですが、この回の展開はすごすぎました。
ジェーン・スーさんが急に思いついたポッドキャスト『秋田県人しか出ない』は翌月に実現してしまいます。
番組は2023年3月から4月に4回配信された後、2023年7月からシーズン2が予定されています。
この強力な機動力がジェーン・スーさんの魅力そのものです。
神回紹介:Ep.126 番組収録中に田中みな実さんから電話
『OVER THE SUN』Ep.126は田中みな実さん登場回です。
『OVER THE SUN』に関わりの深い人と言えば田中みな実さん。
田中みな実さんについて番組の中で何度も何度も言及されています。
この回の冒頭でもスーさん・美香さんの二人に説教する田中みな実さんのエピソードを話していました。
なんとそのEp.126の途中に偶然、田中みな実さんから堀井さんに写メが大量に送られてきた後、番組中に音声通話で出演というハプニングが発生。
ジェーンスーさんは田中みな実さんのことを「不器用な頑張り屋さんだけどアクセルべた踏み」と言い、堀井美香さんは「あの子はよく私たち二人の面倒を見てくれる」と言い、田中みな実さんは「二人とも意外と私の話をちゃんと聞いてくれてますよね」と言っています。
この回の配信を聴くと3人の優しい関係性がよくわかります。
『OVER THE SUN』を聴いていると田中みな実さんの印象が爆上がりになりますし、田中みな実さんのファンの方はますます好きになってしまう神回です。
堀井美香さんと田中みな実さんはTBSアナウンサーの先輩・後輩として関係性が深いのは分かりますが、ジェーン・スーさんと田中みな実さんはどういう繋がりでしょうか。
田中みな実さんとジェーン・スーさんのファーストコンタクトは2014年です。
『ザ・トップ5』ですっかり仲良くなった堀井美香さんが「今、アナウンサー室に田中みな実がいるから一緒に会いに行こう」とジェーン・スーさんと田中みな実さんを無理やり引き合わせたのがきっかけです。
その時に「あ!スーさん!」と最初から食いつきが良かった田中みな実さん。
既にジェーン・スーさんの事は知っていて、意識していたようです。
その時の出会いがきっかけとなり、2014年から始まったジェーン・スーさんのラジオ番組『ジェーン・スー相談は踊る』のパートナーとして田中みな実さんは何度も出演します。
神回紹介:Ep.135 事実婚の現実
Ep.135 『〝ふうふ〟の形』では事実婚をしたリスナーの投稿をたくさん紹介しています。
「事実婚」というのは「夫婦別姓」の話が中心で、つまりジェーン・スーさんが常々話題にする「ジェンダー問題」を真正面から扱う回となりました。
フェミニズムに理解の深いジェーン・スーさんですが、実際に事実婚をしたリスナーや事実婚をやめたリスナーの投稿はそんな彼女にとっても多くの気付きがあったようです。
「選択的夫婦別姓」に対してぼんやりとした認識しかない多くのリスナーにとっては、さらに強烈なインパクトのある回だったと思います。
「選択的夫婦別姓?なにそれ?今のままでもいいんじゃない?」とか言ってる人がいたら、この『OVER THE SUN』Ep.135を聴いてもらいたいです。
今の結婚制度の問題点が理解できる神回です。
また、番組の冒頭で紹介されていた第一生命作成のパンフレットがとても分かりやすいので、ぜひご一読をお勧めします。
事実婚のメリット・デメリット。知っておきたい注意点と備えておきたいこと。
OVER THE SUNグッズにはTシャツも!
OVER THE SUNの公式グッズがSUZURIで発売しています。
OVER THE SUNスタンダードTシャツ

OVER THE SUNビッグシルエットTシャツ

Tシャツのサイズ感ですが、羽織り物をする場合はスタンダードサイズがすっきりとした印象でおすすめです。
1枚で着る場合はゆったり着られるビッグシルエットサイズもかわいいですね。
OVER THE SUN互助会とは?
互助会とは、OVER THE SUNのリスナーのことです。
当番組におけるリスナーを「互助会員」と呼んでいる。お互いの助け合い精神からこの名が誕生。
TBSラジオ
OVER THE SUN(オーバーザサン)ポッドキャストはどこで聴ける?
ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN」は5つの媒体で聴けます。
毎週金曜日17時配信です。
まとめ
TBSのポッドキャスト番組『OVER THE SUN』は、ジェーン・スーさんと堀井美香さんがさまざまなテーマについておしゃべりする人気番組です。
今後も二人の楽しいトークを聴いて大笑いし続けたいですね。
スーさんはエッセイストやラジオパーソナリティとしても活躍していますが、彼女のエッセイ「きれいになりたい気がしてきた」は、堀井さんが朗読するオーディブルで聴けます。
Amazonが提供するオーディブルは、12万冊以上の対象作品を音声で聴き放題できるサービスです。
移動中や作業しながら聴けるので、忙しい人でもスキマ時間有意義に使って充実した読書生活を送れますよ。
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