2022年10月、当ブログでは「Amazon Kindle Oasisの新型機種が2022年末に発売?」の記事を投稿しました。
記事を書いた時点では、発売に向けての状況証拠が完全に揃ったように感じていて、2022年内には新型Oasisが出ると信じて疑っていませんでした。
しかし2023年4月現在、新型が出るという話は全くありません。
こんなにニーズが高まっているのに新型Oasisを出さないとはなんということでしょうか。
そんな中、2023年3月に中国で電子書籍リーダー「iReader Ocean 3」が発売したので紹介します。
意外な所から登場した「ポストKindle Oasis」
「When one door shuts, another door opens.(捨てる神あれば拾う神あり)」とはよく言ったもので、求める人の声があるところにはちゃんと福音が来ました。
「ポストKindle Oasis」としか思えない電子書籍リーダーが発売されたというニュースです。
ここで紹介された電子書籍リーダーは「iReader Ocean 3」です。
現在分かっている範囲で情報を紹介します。
iReader Ocean 3とは
まず名前が挑発的ですね。
「オアシスを捨てよ、オーシャンへ出よう」といったニュアンスでしょうか。
こういう洒落っ気、好きです。
価格は309.99ドル。
Oasisの249.9ドルと比べるとだいぶ強気な価格設定ですね。
昨今のインフレを考えるとこんなものなんでしょうか。
ディスプレイは7インチで300 PPIのe-INK、Carta 1200なので、スペック上はKindle Oasisと同一です。
プロセッサーは2GHzのデュアルコアなので、1GHzデュアルコアのOasisよりはスペック上は高性能です。
重量は175gなのでOasisの188gよりは軽そうですが、この辺りのスペックは間違っていることが多々あるので実際に手にした人のレポートを待ちたいところです。
ストレージは32GBか62GBです。
USB端子はUSB-Cです。
Kindle Oasisの最大の欠点はUSB端子が「microUSB」であることなので、USB-C端子を備えているというこの一点だけでもiReader Osean3の魅力が爆上がりです。
特筆すべきは形状です。
Kindle Oasisそのまんまの非対称型デザインで、ご丁寧にページめくりボタンもほぼ同じ位置・同じ大きさで存在しています。
ここまで似ていると、個人輸入した場合に「コピー商品」として税関で没収されてしまうのではないかと心配になってくるレベルです。
引用:good e-Reader
ここまでフォルムを似せてきてるので、せっかくだからOasis用のアクセサリーがそのまま使えると良いのですが、そこはどうなんでしょうか。
中国の商品なので基本的なユーザーインターフェイスは中国語です。
最初から英語ロケールも入っているため特に苦労することなく英語モードで使えるようにななりそうです。
例えば、私が使用しているandroidで動く電子書籍端末「InkPalm5」は中国語モードしかなく、ちょっとした設定を触るだけでもgoogleリアルタイム翻訳しないと訳が分からないという問題を抱えていました。
なんとか英語ロケールを導入しましたが、windowsのコマンドプロンプトからADBを経由してシステムを注入するというとんでもなく面倒くさい作業が必要でした。
中国製電子書籍端末に要求するハードルが思い切り下がった状態の私にとっては「最初から英語ロケールが入っていて簡単に切り替え可能」という仕様がとても魅力的に感じます。
androidなのにアプリのインストール不可?
OSはandroidですが、androidの標準的なホームではないようですし、PlayStoreもプリインストールされていないようなので、KoboやKindle等の電子書籍リーダーアプリが使えるのかどうかは不明です。
これまでの経験から言うと、この手の「android内蔵電子書籍端末」は好事家の手によってなんとかしてandroidアプリが走るように工夫されることが多いのですが、iReader Ocean 3を紹介するyoutubeを見たところ、少々不安になる発言がありました。
16:30あたりで「結局、Ocean3はクローズドなシステムとなっています」と中国語で話しています。
これは「サードパーティー製のAndroidアプリをインストールして使用する設計にはなっていない」という意味です。
つまり、中国国内向けの電子書籍ストアを利用するのに特化した端末なので、日本国内のユーザーが使用するメリットは小さいと思われます。
もしも、日本人ユーザーがこのireader Ocean 3を購入したとして、考えられる用途としてはepubやpdfファイルを流し込んで読むくらいでしょう。
サードパーティー製アプリがインストールできなければepubの縦書きも絶望的ですので、もっぱら洋書などを読む用途にしか使用できなさそうです。
現段階では「Ocean3にandroidアプリを入れて使用できるようになった!」という報告を待ってからの購入が吉、と言えるでしょう。
まとめ
「Kindle Oasisの対抗馬がやっと出たか!」と色めき立ちましたが、よく調べてみたらそれほど決定的な商品でもなさそうでした。
こういう一喜一憂はもうお腹一杯なので、そろそろamazonが新型Kindle Oasisをちゃんと出してくれないかなあ、と心から願っています。